児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

あした、弁当を作る。

あした、弁当を作る。 作者:ひこ・田中 講談社 Amazon 日下部龍樹はいつものように中学に行くために家を出た。なのに、いつものように「行ってらっしゃい」と背中に触れた母親の指にゾクっとする。自分の中の違和感を冷静に見つめていく龍樹と、周りの友人た…

紙コップでつくろう(新やさしいこうさく④)

紙コップでつくろう! (新やさしいこうさく) 作者:竹井 史郎 小峰書店 Amazon かみコップのこうさく (やさしいこうさく) 作者:竹井 史郎 小峰書店 Amazon 紙コップを使った工作は、4.5歳でも作れる内容。新がついたシリーズはリニューアルしたもの。さらに…

ふしぎ草子

ふしぎ草子 作者:富安 陽子 小学館 Amazon ちょっと不思議な雰囲気の短編集。「ピアノ」は、生徒が帰った放課後、ピアノの音に導かれて様子を見に行くと、ピアノの前にソウが!とはじまる。だが、きちんと子どもたちが納得できる展開になっている。昔話のパ…

水平線のかなたに 真珠湾とヒロシマ

水平線のかなたに 真珠湾とヒロシマ (文学の扉) 作者:ロイス・ローリー,ケナード・パーク 講談社 Amazon 真珠湾で突然の攻撃で命を落とした船員たちも広島の原爆の下にいた人々も、一人一人が人生を持っていた。全体ではなく、その一人一人の姿を紹介するこ…

パールハーバーの目撃者 子どもたちの1941年12月7日

パールハーバーの目撃者 子どもたちの1941年12月7日 作者:カトリーナ・ルクシャフスキー 水曜社 Amazon 2013年にパール・ハーバーにある歴史的建造物に住むことになった著者が、かつてそこに住んでパールハーバーを目撃した子どもたち(もちろんすでに老人と…

めんどくさがりなきみのための文章教室

めんどくさがりなきみのための文章教室 作者:はやみねかおる 飛鳥新社 Amazon これは「はやみねかおる」の名前で手に取りそう。内容は、中学2年の文岡健が、すてねこマ・ダナイに出会って、文章指南を受けるという内容で、さすが作者はユーモアを漂わせて書…

西の果ての白馬

西の果ての白馬 作者:マイケル・モーパーゴ 徳間書店 Amazon 嵐の海岸に取り残された女の子は自分の家に帰れるのだが・・・「巨人のネックレス」。善良な一家に差し延べられた救い「西の果ての白馬」。みんなから馬鹿にされていた足の悪い男の子は、泳ぎをア…

パフィン島の灯台守

パフィン島の灯台守 作者:マイケル・モーパーゴ 評論社 Amazon 子どもの頃、船で遭難したアランは、ぶっきらぼうだが嵐の中でも救援に駆け付けてくれた勇気ある灯台守の姿が忘れられなかった。父の死後、父方の両親の所に母と共に身を寄せたアランは、灯台守…

アグネスさんとわたし

アグネスさんとわたし 作者:ジュリー・フレット 岩波書店 Amazon 絵本だが、読み聞かせとしては高学年にも使えそう。絵を描くことがすきな女の子、わたしは、田舎の野原の一軒家にかあさんと引っ越した。野原の向こうにはアグネスさんというおばあさんが住ん…

10歳から知っておきたいお金の心得

10歳から知っておきたいお金の心得〜大切なのは、稼ぎ方・使い方・考え方 (10歳に贈るシリーズ) えほんの杜 Amazon 全国の小中高校で、お金教育・キャリア教育を行うファイナンシャルプランナーなど講師5人による紙上授業。ゆるキャラのような動物たちのイ…

学校では教えてくれないお金の話

学校では教えてくれないお金の話 (14歳の世渡り術) 作者:金子 哲雄 河出書房新社 Amazon お金とは、モノの値段の決まり方、お得な買い物の極意などを、「お金持ちってどんな人?」「ドリンクバー、何杯飲めばモトがとれる?」「世の中でいちばんもうかる仕事…

ラ・フォンテーヌ寓話

ラ・フォンテーヌ寓話 作者:ラ・フォンテーヌ ロクリン社 Amazon 17世紀フランスの詩人がイソップなどを元に創作した寓話詩。 19世紀イギリスのデザイナー、ウォルター・クレインに刺激を受けたという画家の挿絵は、まさに物語る絵で、ミルクを売りに行く娘…

はたらく

はたらく 作者:長倉 洋海 アリス館 Amazon 世界の子どもたちが「はたらく」さまをとらえた写真絵本。 ネパールでは、冬虫夏草を探してヒマラヤを歩く子のけわしい表情を。アマゾンの森では、えものを弓矢でねらう厳しい視線の真剣さ。 エルサルバドルでコー…

笑いを売った少年

笑いを売った少年 作者:ジェイムス クリュス 未知谷 Amazon 両親を亡くしたティムは、ある日、父さんとよく行った競馬場で、立派な紳士から取り引きをもちかけられる。 生母から受け継いだ陽気な笑いと引き替えに、どんな賭けにも勝てる能力を得るという契約…

子どもによる子どものための「子どもの権利条約」

子どもによる 子どものための「子どもの権利条約」 作者:尚子, 小口,鮎美, 福岡 小学館 Amazon 中学2年生の2人が翻訳した子どもの権利条約。 本文はかなり意訳ではあるけれど、子どもにわかりやすいだけでなく、読みたくなる(!)ところが最大のおすすめ…

僕らが学校に行く理由

僕らが学校に行く理由 (ポプラ社ノンフィクション 42) 作者:渋谷 敦志 ポプラ社 Amazon 世界の紛争、飢餓、貧困、児童労働などの現場を訪ね、学校に通えない、あるいはそんな状況でも学ぶ子どもたちの姿を写真に収めた。訪れたのは、南スーダン、ウガンダ、…

続・レモンをお金にかえる法

新装版 続・レモンをお金にかえる法 作者:ルイズ・アームストロング 河出書房新社 Amazon 続編は、マクロ経済学の領域。 レモンの不作からインフレに陥った市場経済を、「治療する」役割としておとなたちが登場し、政府や中央銀行の立場を示します。 あっと…

レモンをお金にかえる法

新装版 レモンをお金にかえる法 作者:ルイズ・アームストロング 河出書房新社 Amazon 子どもにわかりやすいたとえを使って、経済学の用語と理論そして経済学のしくみを「正確に教え」るという絵本。 レモンに水と砂糖を加えてレモネードをつくり60円で売った…

こども行動経済学

こども行動経済学 なぜ行動経済学が必要なのかがわかる本 作者:バウンド カンゼン Amazon 経済学的に正しい選択とは何かを示し、人々がしばしば誤ってしまう選択のクセを明らかにする行動経済学。子どものうちからそれを学ぶことで、自分の人生や社会をより…

歯みがきつくって億万長者

歯みがきつくって億万長者―やさしくわかる経済の話 (チア・ブックス) 作者:ジーン メリル 偕成社 Amazon ある日12歳のルーファスは気がついた。ドラッグストアの歯みがきが高すぎる!自分ならもっと安く作れる! 試しに作ってみると、1本分の値段で40本でき…

起業家フェリックスは12歳

起業家フェリックスは12歳 作者:アンドリュー・ノリス あすなろ書房 Amazon フェリックスは、6歳の頃からさまざまなビジネスに挑戦してきた。中でも今回のアイディアは、本当にあたる気がする。幼なじみのモーが作ったオリジナルのバースデーカードを売るの…

ふたりはバレリーナ

ふたりはバレリーナ 作者:バーバラ・マクリントック ほるぷ出版 Amazon バレエの大好きな女の子エマと、バレリーナのジュリア。会ったことのない2人のいちにちが、見開きに同時進行で描かれます。 朝起きて、それぞれ同じようにバレエのレッスンへ。やがて…

すなはまのバレリーナ

すなはまのバレリーナ 作者:川島京子 のら書店 Amazon 日本にバレエを伝えたロシア人バレリーナ、エリアナ・パヴロバの功績を伝える絵本。 ロシア革命のふるさとを逃れ、1919年日本へ亡命してきたエリアナは、鎌倉に日本初のバレエ学校を開いた。全国から生…

いろのダンス

いろのダンス 作者:アン ジョナス 福武書店 Amazon 赤、黄、青の大きな布をひらめかせながら、子どもたちがダンスのレッスン。布が重なると別の色が生まれます。赤と黄が重なってだいだい色、黄と青でみどりいろ、白が重なればどの色もうすくなる。 『光の旅…

バレエをおどりたかった馬

バレエをおどりたかった馬 (世界傑作童話シリーズ) 作者:ハーラル ストルテンベルグ 株式会社 福音館書店 Amazon ある日、旅のバレエ団に出会ったいなかの馬が、自分もバレエダンサーになる!と決心。仲間のぶた、めんどり、ひつじとわかれて町へ出ます。 お…

アンジェリーナはバレリーナ

アンジェリーナは バレリーナ (講談社の翻訳絵本) 作者:キャサリン ホラバード 講談社 Amazon アンジェリーナはねずみの女の子。バレエが大好きすぎて、夢でも踊っているくらいです。でも、おかげで周りが困ることも。うちのテーブルに並べたミルクやパイを…

バレエ団のねこ ピンキー

バレエ団のねこ ピンキー 作者:ノエル・ストレトフィールド のら書店 Amazon ねこのピンキーは、ネズミとり係としてバレエ団にやとわれています。でも実はネズミが怖くて、ちっとも捕まえられません。バレエが大好きなピンキーは、いつ辞めさせられるか不安…

アイスクリームが溶けてしまう前に(家族のハローウィンのための連作)

アイスクリームが溶けてしまう前に (家族のハロウィーンのための連作) (福音館の単行本) 作者:小沢健二と日米恐怖学会 株式会社 福音館書店 Amazon アメリカでのお菓子をねだるハロウィーンの起源が、実は世界恐慌で社会が荒れていた時に、子どもも荒れて破…

ベアトリスの予言

ベアトリスの予言 作者:ケイト・ディカミロ 評論社 Amazon 厚さはあるが、読みやすいので本好きな子なら小学校高学年くらいで読みそう。名前以外の記憶を失った少女ベアトリスは修道院のヤギ小屋で倒れていた。ヤギのアンスウェリカは、強情で性悪だが、この…