- 作者: 松岡享子
- 出版社/メーカー: 東京子ども図書館
- 発売日: 2012/09
- メディア: 大型本
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概要
表紙側からと、裏表紙側との両方から読み進めて、本の真ん中で出会うようになっている本。
表側からは、あるところに「うれしいさん」がいて、はじめはごきげんなんだけれども、「でも、大変」な事があると「かなしいさん」になってしまう。「でも、よかった」で「うれしいさん」になって、と、ページを繰るごとに変わっていく。「よかったねネッドくん」パターンで、ある意味裏も表もない、たわいもない話。裏表紙からも同様に読み進めると、本の真ん中の折り込みページで双方が出会い、そこいら中が「うれしいさん」でいっぱいになる。
読み聞かせで使う場合、表表紙側から読み進め、真ん中まで来たら、一旦裏表紙に戻り、そこからまた真ん中まで読み進めて、最後に折り込みを開く、でいいのだろうか。
感想
うれしいさんが本を読んだら悲しい話だったので「かなしいさん」になってしまって、でも、結末がハッピーエンドだったから「うれしいさん」になって、というように、物語の持つ力、みたいなものを信じる視点がどこかにぴりりと効いている。いい本だと思う。
いずれにせよ、それほど深刻に取る必要はないと思われる。松岡享子直筆の挿絵も、なんだか気の抜けた落書きのような、それがなかなか味わいのある絵になっている。
実際、この単純さは子どもにはよいらしい。うちの娘に読んだらたいそう気に入って何度も読まされた。
評価
幼年および絵本に複本で、各館所蔵しておくべきと考える。長く読み継がれる可能性のある本。