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地獄坂へまっしぐら

地獄坂へまっしぐら! (文研ブックランド)

地獄坂へまっしぐら! (文研ブックランド)

概要

マウンテンバイクを買ってもらったものの、うまく乗りこなせなくているマーヴィン。

友達との会話のはずみで、土曜日には地獄坂を自転車で走り下りる、というなりゆきになってしまう。

地獄坂で事故った恐ろしい話がいっぱい吹き込まれ、ひそかに怖じ気づくマーヴィン。

なんとかなかったことにしてもらいたいが、クラスでも話題になり、上級生にも知れ渡り、どんどん引っ込みがつかなくなる。

しかし、約束の土曜日になってみると、ギャラリーは誰も来ず、誰もマーヴィンの葛藤などたいしたことに思っていなかったことに気づく。そうなってみると、初めて自分の決断で、地獄坂を下ってみようという気持になれた。自分で決めることこそが、本質なのだ、と気づき、誰も見ていない地獄坂下りを敢行。ゴールは家族が見守ってくれた。

感想と評価

わるくない。

小学校低学年くらいの男の子のありがちな感情、ありがちがドラマをうまく切り取って、過不足なくまとめている。

結論はありきたりといえばそうだが、そこに至る心の動きは丁寧で、無理がない。マーヴィンに寄り添って読むことができる。

シリーズが他にもあるようなので読んでみよう。