児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

課題図書 ジョン万次郎 海を渡ったサムライ魂

ジョン万次郎 海を渡ったサムライ魂

ジョン万次郎 海を渡ったサムライ魂

2013年中学校課題図書。父の死後、少しでも稼ごうと船に乗り込んだ万次郎は、14歳で漂流。アメリカの捕鯨船に助けられる。船員が南蛮人を恐れる中、好奇心で船員に近づきホイットフィールド船長にかわいがられ、仲間と離れてアメリカ本土に渡って学校で学ぶ。差別も受けるが、助けてくれる人も必ずいた。やっと帰国がかなっても、牢にとらえられるが、幕末という時代の中で、通訳として生きる道が開ける。この物語では、新しい道が開ける前の苦難の時代を描いてニューベリー賞を受賞。

でも、やはり、アメリカ人が描いた日本人という感じがする。いや、おそらくこれは、アメリカ人から見た一人の開拓者の同胞の姿かも、そう思うと、おそらく日本人よりアメリカ人の方が共感しやすい物語であろう。