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11をさがして

 

11をさがして (文研じゅべにーる)

11をさがして (文研じゅべにーる)

小学校高学年

サムは両親がいないうえ、難読症の障害があり、字がうまく読めない。だが、大好きなおじいちゃんと暮らし、隣人のオッジとアニマにも大切にされ、幸せに暮らしていた。しかし、11歳の誕生日直前に、隠してあるプレゼントを探そうと忍び込んだ屋根裏で、自分がボートの事故にあったことを報じる新聞記事を見つけてしまった。今と違う名前で載っている自分。だが、難読症のためうまく読めない。サムは転校生のキャロラインに助けを求め、事故の記憶も少しづづ思い出す。ぼくは、本当はどこの子? 画家のお父さんのため、しょっちゅう転校しているキャロラインの悩みとからめ、二人の過去への旅が始まる。推理小説的な謎解きが読者をひきつけるが、個々のできごとには不自然さも感じる。ラストもキャロラインとメールをするため、難読症の克服を求めるところで終わるが、今までだって、克服したい思いは強かったはず、意志の問題?とちょっと気になりました。