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新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

地球の声に耳をすませて 地震の正体を知り、命を守る

 

 2012年課題図書。課題図書の中には、夏休みが終わったとたん貸出がなくなるものが少なくないが、この本は、現在も利用されている。今後とも継続して利用できそうでありがたい。

地震のメカニズムを単に知るのではなく、自分の身を守るために知るという視点がいい。自分がなぜ地震の研究をはじめようとしたか、など、やや感傷的?と感じる部分もあるが、自分の安全を守ろうという姿勢にブレがないのがよい。それにしても、「地震予知」という幻影に予算を使ってきた過去から、新しい未来に向かおうとしているが、これは、やっぱり大変なことではないだろうか? 「あって欲しい」という願いは、「できるはず」につながるが、地震は「近いうちに来る」のがわかっても、その近いうちが10年後か1年後か、予知するのは難しい。新しい災害として、浦安の液状化も扱っている。