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フランバーズ屋敷の人びと

 

フランバーズ屋敷の人びと〈1〉愛の旅だち (岩波少年文庫)

フランバーズ屋敷の人びと〈1〉愛の旅だち (岩波少年文庫)

 

 クリスチナは5つの時にみなし子になって以来親戚の家をたらいまわしにされていた。1908年、12歳になったクリスチナはフランバーズ屋敷に引き取られることになる。フランバーズ家には馬のことしか頭にない狩猟狂のラッセルおじさんと二人のいとこがいた。彼らは性格が正反対で一人は馬を乗りこなし、もう一人は飛ぶことを夢見る男の子だった。彼らと一緒に生活するようになったクリスチナは悩み、考え、成長する。おすすめされ一度挑戦したけれど読みきれなかった本。今回はつまずくことなく最後まで読みきれた。クリスチナがあれだけ嫌がっていた乗馬を見事にこなし、殺されそうになった馬スイートブライアーを助け、狩猟が大好きと思ったりとブライアーの言葉を借りるとすっかりラッセル狩猟一族の一員になってゆく彼女の成長がとてもおもしろかった。クリスチナがマーク、ウィリアム、ディックの誰を選ぶのか先が読めずに最後まで一気によんでしまった。文庫版では全5冊なのでこれからクリスチナがどう成長するか読みたいと思った。