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ジェット機と空港・管制塔

消防車、新幹線と続いた乗り物ひみつルポ、待望!?の3巻目は飛行機。

全日空と、国土交通省の後押しもあったらしく、期待を裏切らない。

この人の持ち味の細かい細かいイラストで、空港・飛行機の裏舞台をくまなく歩いている。搭乗の様子、パイロットや、客室乗務員(いつからスチュワーデスとは言わなくなったのだろう)の仕事、管制官の仕事、機内、整備まで、よくもまあ、といった感じで、隅々までほじくり返している。

航空の図鑑も本も種々あって、知識としてはそう目新しいものがあるわけではない。

(管制塔の内部は初取材なのだそうだが)

でも、視点のとりかたで、いくらでも面白いものが見える、という好例。

妹尾河童なんかもそうでしたよね。

 

もともとこの人は戦車のプラモデルについて語る連載で世に出た人。

プラモデルを作ったことのある人には、思い当たることありまくりの感涙ものの連載だったのだが、その時も、今も、全然関心のない人にはそもそも何の意味もない情報に、いちいちこだわって楽しむ姿勢は変わらない。

でも、当時は、それこそ、日の当たらない分野の、そのまた日のあたらない趣味(当時の紀行ルポで歩いていたのは、あの妙見島ですぜ)だったのが、最近は消防車や新幹線、そして飛行機といった、天下の大通りに進出しているのが、メジャーになってうれしいというか、あんまり大通りすぎるような寂しさも感じてしまう。

 

ジェット機と空港・管制塔 (乗り物ひみつルポ 3)

ジェット機と空港・管制塔 (乗り物ひみつルポ 3)