このタイトル、大人にうけるのではないだろうか? 実際に学校で、小学校2年生のよみきかせに使ったところ、先生が大変喜んでいた。こどもたちの反応も良かったが、これは、すっとぼけて読まないと押しつけがましくなりそうでもある。
児童文学には、他と違った主人公が、まわりから認められずに苦しむが、最後には、その特殊能力のおかげで認められる、というパターンがあるが、これもそのひとつ。
生まれたとたんに、自分と弟、妹を足し算して3匹であることを計算し「さんすうサウルス」という名前を付けられるティラノサウルスのあかちゃん。大きくなるにつれて、倍数や掛け算も習得するが、まわりからは「計算なんてどうでもいいこと」と相手にされない、だが、妹を助けるために、崖の幅を考え、それに見合う長さの木を橋にして助け、「お兄ちゃんのさんすうのおかげ」と初めて認められる。掛け算が出てくるので、2年生を対象にしたが、さんすうサウルスの計算の答えをいったり、「立方体?」とかいうところで「すげえ」と声がでる。でも、こどもたちは算数の能力はむしろプラスと考えている下地がある分、ちょっとパンチに欠けるかな?
なんにしても「だから、あなたももっと計算の勉強をしなさい」というオチに使わないでね。