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あの年の春は早くきた

 

あの年の春は早くきた

あの年の春は早くきた

 

 

私は8歳だった。生まれた時から戦争で、他のことなんか知らなかった。ちょっと小生意気な女の子の視点で語られる物語。家は取り壊され、住み込んだのは、気に食わない金持ちバアさんの別荘。そこに逃げてきた脱走兵の父。

敗戦のウィーンのまちに繰り広げられる、大人のずるさとおろかしさをみつめる、強烈な個性の女の子の物語。子どもって妥協がないからコワイよね。