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ザッカリー・ビーヴァーが町に来た日

 

ザッカリー・ビーヴァーが町に来た日

ザッカリー・ビーヴァーが町に来た日

 

 世界一デブな少年サッカリー・ビーバーの見世物小屋がやってきた。ぼく(トビー)と友人のキャルはさっそく見に行くが、翌日、ビーバーは駐車場で、トレーラーごと置き去りにされていた。カントリーミュージックの地区大会で優勝し、本選に出かけた母さんが帰らないのではという不安。ベトナム戦争に行ったキャルの兄さんの運命。ビーバーに差し入れする地域の人々。おだやかな田舎の日々の中の喜びと悲しみ。ビーバーに洗礼を受けさせようとするクライマックスが、トビーとキャルにとっても大人への通過儀礼としてしっかり描かれているが、そうした習俗のない日本ではわかりずらいかも。