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どろぼうの神さま

 

どろぼうの神さま

どろぼうの神さま

 

 

プロスパーとボーは、両親の死後、弟のボーだけを引き取りたいという叔父夫妻からのがれ、ヴェネツィアに来た。だが叔母は探偵を雇う。兄弟は、“どろぼうの神さま”と名乗る少年に、他の孤児たちと一緒に助けられ、廃業した映画館で暮らしていた。兄弟と棲家をつきとめた探偵は、孤児たちに同情。しかし、子どもだけでは暮らせない現実を突きつける。一方、大きなどろぼうの依頼がまいこみ、そこには時を遡るメリーゴーランドの伝説がからんでいた。そこそこ読ませるが、現実的な冒険モノとファンタジーのどっちかにしたほうがすっきりしたと思う。金持ちの一人息子でありながらどろぼうの神さまを演じたスキピオと、彼が魔法で大人になった結果をもっと書き込んで欲しかった。