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透明人間の納屋

 

透明人間の納屋 (ミステリーランド)

透明人間の納屋 (ミステリーランド)

 

 母子家庭の「ぼく」にとって、隣家の真鍋さんはやさいい父のような存在だった。いっしょに遊んでくれたり、食事をおごってくれたり、なにかと面倒をみてくれた。真鍋さんの透明人間の話には、ひきつけられる魅力があり、折から、透明人間なしでは説明できないような殺人事件が起こる。北朝鮮工作員という時事的テーマは、大人にはピンとくる。怪奇なムードや真鍋さんとの心の交流はよく書けているが、トリックにはちょっと無理も! まぁ、島田荘司ってそういうとこがある作家だけど。