児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

エルフギフト 上・下

 

エルフギフト〈上〉復讐のちかい (ポプラ・ウイング・ブックス)

エルフギフト〈上〉復讐のちかい (ポプラ・ウイング・ブックス)

 

 

王が死んだ。次の王は、古くからの神々を信じる王弟のアセルリックと新しき神キリスト教を信じる王子アンウィン間の争いになるかと思われていた。だが、王が指名したのはエルフとの間に生まれ、農場で暮らすエルフギフトだった。彼を殺そうとしたアンウィン兄弟の試みは失敗に終わり、虐殺された農場の者たちへの復讐に燃えるエルフギフトを、戦いの女神ワルキューレは、最強の戦士へと鍛え上げた。戴冠の日。エルフギフトは、還ってくる。自分の王座を受け取るために。

 

エルフギフト〈下〉裏切りの剣 (ポプラ・ウイング・ブックス)

エルフギフト〈下〉裏切りの剣 (ポプラ・ウイング・ブックス)

 

 他国の王の力を借り、王国を取り戻そうと攻めてくるアウィン。ウルフィアードの命を助けるためにオーディンの庇護を失ったエルフギフトは、アウィンのだまし討ちにより、命を奪われ血染めの鷲の刑に処せられた。復活し、復位をとげアウィンを倒すエルフギフトの姿は、北欧神話というよりキリストの死と復活をイメージしてしまった。無情であるようすが書かれながら、弟ウルフィアードに執着するのは矛盾? と思う面も。エルフをもう少し超人的に書いてほしかった。