概要
虫の世界のいたずらもの、黒ありのフェルダの冒険物語。
カタツムリを勝手に馬に仕立てて馬車を曳かせたり、はたまたバッタを調教して馬にしたり。
ねっからの器用なフェルダは、なんでも屋でもあります。こわれたラジオを修理したら、天国のラジオ番組まできこえてきます。カメムシたちのためには遊園地まで作ってあげました。
テントウムシの女の子ベルシカに気に入ってもらいたくてあれこれするのですが、どれもうまくいかず、しまいにはベルシカに乱暴をはたらいたとのぬれぎぬを着せられ、裁判にかけられてしまいます。判決はしりうち25回。フェルダ絶体絶命です。
感想
1930年代のチェコの新聞連載が元になったおはなし。現在も彼の地では大変ポピュラーなキャラクターなのだとか。チェコ版ののらくろ、みたいなもんか。基本、たいした筋立てはなくて、、ほんわかとした古き良き時代ののんびりした物語のような気がするのだが、時々どきっとするような毒が含まれているのは、成立した時代と場所のせいだろうか。
問答無用のへんてこ裁判とか、いい人なんだか、悪い人なんだかさっぱりわからない奇っ怪なキャラクターとか。
その毒も含めてぜひ味わってもらいたいと思う本。