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戦火の馬

 

戦火の馬

戦火の馬

  • 作者: マイケルモーパーゴ,Michael Morpurgo,佐藤見果夢
  • 出版社/メーカー: 評論社
  • 発売日: 2011/12
  • メディア: ハードカバー
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 サラブレッドの血を半分受けた仔馬は、農夫に買われ、そこでその家の男の子アルバートと出会う。ジョーイという名をつけてもらい、アルバートに愛されて育つが、父は酒を飲むと人が変わりムチをふるう。そして第1次世界大戦がはじまり、父は借金返済のためにジョーイを軍馬に売ってしまった。アルバートは、きっと探しにいくと約束する。ジョーイは、彼を理解しかわいがってくれるニコルズ大尉と友人のスチュワート大尉、その馬トップゾーンのおかげで、優秀な軍馬となるが、ニコルズ大尉は戦死。その後、敵地に進みすぎて、ドイツ軍の軍馬となる。近所の農家の娘、エミリーがかわいがって世話をしてくれたので、しばし幸せに働くが、ドイツが敗戦に向かう中、過酷に使役される。そして戦火の中で逃げ、こんどはイギリス軍に戻り、アルバートと奇跡的に再開。だが、今度はジョーイを破傷風がおそう・・・。やっとのことで回復したのに、戦勝後の本国引き上げに伴い、軍馬たちが肉屋に売られるという危機が襲う。結局エミリーの祖父のおかげで助かるラストはハッピーエンドだが、そのハッピーエンドを迎えられなかった馬がほとんでであろう。映画化されているが、いかにも映画に向きで、劇的な場面の連続が目に浮かぶ。甘さもあるが、悪くない。