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シャバヌ 砂漠の風の娘

 

シャバヌ―砂漠の風の娘 (ポプラ・ウィング・ブックス)

シャバヌ―砂漠の風の娘 (ポプラ・ウィング・ブックス)

 

パキスタンとインドの国境に広がる砂漠に住む少女シャバヌ。大好きなラクダを売るつらさ、祖父の死などのできごとの中で、まっすぐに成長している。だが、姉の婚約者が地主とのトラブルで死に、運命は急変。自分の婚約者が姉と結婚することになり、シャバヌは地主の兄ラヒーム様に見初められ第4夫人にと望まれる。良縁に周りは喜ぶが、ジャハヌは父より年上の夫におびえる。しかし「おまえの魂の秘密を、心の奥に秘めておきなさい」というおばの言葉を胸に、どんな運命にあっても心の秘密を守って運命に立ち向かうことを決意する。ニューベリー賞オナー受賞。きびしい自然の中で豊かな心で生きるシャバヌと、娘に愛を注ぐ家族。節度を保つ警備隊のすがすがしさ、その一方で迷信が生きる世界が描かれ魅力的。

砂漠の中で、コップ1杯の水で全身を清めるシーンなど、知らない世界が目の前に広がる。