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マウイ島からマノアの村へ 古代ハワイの少年のお話

 

マウイ島からマノアの村へ―古代ハワイイの少年のお話マウイ島からマノアの村へ―古代ハワイイの少年のお話
 

 原書は1956刊。パウーロは村が夜盗に襲われ、たった一人生き残る。偶然交易で島を訪れたボウキが見つけて保護し、マウイ島からハワイ島の知人オルにあずける。チャントメーカー(詩人で文官的な役割を持つ)のオルは、パウーロを温かく迎えてくれるが、村の王クオコアに認められて置いてもらえるか不安でならない。漁で不手際をして自信をなくすが、王の子をふくろうの襲撃から救う。最後、彼の投石器と首飾りから、彼が王家の地を引くことが判明しクオコカの養子となりめでたしめでたしでおわる。比較的ありきたりの展開だが、昔のハワイの習俗が描かれている点はおもしろい。巻頭の写真は、作品とはあまり関係ないので、巻末にするか、関係の深いものに絞ってもよかったかも。