児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

はじまりもなくおわりもなく

 

はじまりもなくおわりもなく

はじまりもなくおわりもなく

筆者の父が生まれ、そして赤ん坊から青年に成長し、戦地にいき死にかけ、捕虜になり、収容所から脱走し、母のいる家へもどる。
 
やがて、父は家族を持ち、著者が生まれ、祖父自身は老いて死の準備を行なう。物語というよりは、長い詩を読んでいるかのような気分になる不思議な物語。
子供たちを、未来の死人とする感覚は独特だか、意外にも陰気な印象は受けないため不快な気持ちにはならない。
絵柄が地味だが、父の死を描くにあたり絵のイメージとよく合う。子供にとっては、あまり興味が出ないテーマかもしれないが・・・