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呪われた首環の物語

 

呪われた首環の物語

呪われた首環の物語

 

 同じ湿原に住むドリグと人間と巨人の3種族。ドリグと人間はいがみ合い、人間がドリグを殺したためにもたらされた呪いの首飾りは、3種族をさらに不幸にしていた。族長の子エイナとセリは“能力”を持ち、ただ一人何も持たない長男ゲイアは、内省的で、父とうまくいかない少年になる。だが、ゲイアが巨人の子どもと、次いでドリグ王の子と友だちになったことから、首飾りの呪いは、うち破られる。3種族がそれぞれ、自分たちこそ「人間」だと思っていることなど、ジョーンズらしい機知がきらめくが、きわめて正統派ファンタジーで読みごたえがある。