読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

帰ってきた船乗り人形

 

帰ってきた船乗り人形

帰ってきた船乗り人形

 

概要

イギリスのとある子ども部屋の人形たちの物語。人形の家には、お母さんのローリー夫人、娘のドーラ、男の子のカーリー、双子の女の子パールとオパール、末っ子のバブちゃん、メイドのモレロ、子守のルイスさん、家庭教師のシャーロット先生が住んでいる。一家の主人だったローリー大佐は、砂丘にピクニックに行ったときに行方不明となり、シャーロット先生のいいなづけだった海軍士官のトーマスはフランスにもらわれて行ってしまっている。以来、ローリー夫人もシャーロット先生も悲しみの中で暮らしている。

一方、この町にある船乗り学校に入学させられたフランス人の少年ベルトラン。優秀ではあるが、高慢で鼻持ちならない彼は、船乗り学校で徹底的にいじめられる。彼はたまたま窓から転落したカーリーを拾い、一緒に航海訓練に連れて行くことになる。この人形を手に入れてから、なぜだか運が向いてきて、船酔いもしなくなり、自分の置かれた状況もわかって学校でもそれなりにやっていけるようになる。

彼は、それをマスコットになったカーリーのおかげと感謝し、元の家に帰す。時を同じくして、行方不明だった男たちもみな人形の家に帰ってきて、すべてがあるべき場所に収まる。

感想

人間同様の感情をもつ人形たちが、人形の家を舞台にくり広げるドラマ。もちろん、名作「人形の家」のような感動には及ばないけれど、ゴッデンはこの扱い慣れた素材で、他の誰にもマネの出来ない職人技のような人形芝居を見せてくれる。

偶然にしても出来すぎているような結末ではあるけれど、まあそこはそれ。人間のベルトランの学校での物語と、人形たちの物語が二つからみあって、最後は一つになる手並みは鮮やか。

対象は低学年では少しまだわからないかもしれない。