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嵐にいななく

嵐にいななく (児童単行本)

嵐にいななく (児童単行本)

嵐にいななく

嵐によって、家を失ったジャック一家は、新たな生活を開始するため、新しい町の新しい家に移り住む。そこで、隣に住む体の弱い少年マイケルとの出会いや、気のあらい馬バンとの出会いが待っていた。

いきなりの嵐に襲われるジャックの危機的な場面に手に汗握りました。大変な苦難に満ちた展開がこの家族に待っているにちがいない…と思った矢先、新しい生活があれよあれよと始まり、少し肩透かし感が否めませんでした。だって、あんなしを意識するかのような事件に会いながら、ジャック家族に悲壮感や影や、なんというか喪失感が微塵も感じられないのだ。実際はそんなもんですかね。
とにかく、登場人物が全般的に淡白過ぎないか?とすら思える中盤でした。

シンプソンさん家族に飼われていた、馬にジャックは心惹かれ、やがて自分が労働様の馬として飼育することを決意するジャック。
そして、もう一人の主人公マイケルの日記を通して、別な視点で物語を進行する構成はなかなか面白いなと感じました。でも、物語を読み慣れていない子には、難しい部分もあるかもしれないです。