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駆けぬけて、テッサ!

 

駆けぬけて、テッサ!

駆けぬけて、テッサ!

 

 両親の離婚と母の再婚はテッサにとってつらいものだった。大好きな馬と離され、冷酷な義父モーリスの下で、反抗的になり退学を繰り返す。だが、働きに出された厩舎で、かつて父の馬アカリの子、不恰好なピエロとの出会いがテッサを変えた。のんびりやだが間違いなくパワーがあるピエロを信じ、のめりこんだ。だが、大レースを前に妨害が!証拠はないが、間違いなく義父の仕業。怒り狂ったテッサは、義父をナイフで刺し、施設に入れられ、ピエロも売られて行方不明に。絶望するテッサを救ったのは、騎手のトムの友情だったが、彼も落馬で大怪我を負う。トムとピエロのためにテッサは復活する。騎手としてキャリアを積み、ついにピエロとも再会。だが、ピエロは痩せ衰え失明していた! 懸命に世話をし、目の手術に大金をかけるテッサ。その姿をみながらトムも、再手術に挑戦し成功させる。ついにテッサはグランドナショナル・レースで自らが騎手となりピエロを出場させた。ライバルは義父の馬。勝ちたい!だが、騎手を務めるのはトム。レースは大混戦となり、ついにトムとテッサの戦いになる。 ペイトンらしい、ハラハラドキドキのメロドラマ。馬の心の描写が秀逸。ついつい読んでしまう迫力はさすが。