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都会のトム&ソーヤ 3

 

都会のトム&ソーヤ (3) いつになったら作戦終了?     YA! ENTERTAINMENT

都会のトム&ソーヤ (3) いつになったら作戦終了? YA! ENTERTAINMENT

 

 概要

第一幕 S計画

内人が同級生の女子を映画に誘おうかどうしようか延々と悩む間に、創也の提案で実地シュミレーションを行うことになるが、映画館で幼児誘拐の現場に出くわし、これを阻止した、と思ったらテレビ番組の仕込みであった。

第二幕 ミッション・イン・スクールフェスティバル

文化祭前夜、純喫茶を営業する内人たちのクラスは、準備が間に合わず、先生に内緒で夜中まで作業をして当日を迎える。

犯罪の計画立案をするプランナと呼ばれる集団が黒幕。彼らのたてた計画で現金強奪事件が起き、犯人が学校に逃げ込む。プランナは犯人を逃亡させるため、学校に時限爆弾をしかける。プランナは教育実習生となって学校に入り込んでいたのだ。

犯人を見破り、文化祭も無事中断することなく満喫した内人と創也であった。

 

感想

中学生が主人公で、学校が舞台である、という点と同時に、少しだけ背伸びをした世界が感じられる、というのが魅力なのではないかな。

この本の読者の半分以上はおそらく小学生。小学生にとって、中学というのは、やけに大人で、輝いて見えたものだ。ここに出てくる学園生活もおそらくそれに近い。あり得ないとわかっているけれど、ちょっとあこがれる存在。その間合いが絶妙なのだと思う。文化祭の模擬店だの、女子とのデートだの、3Dボウリングだの、そういうネタが満載である。もちろん現実ではないが、徹頭徹尾のファンタジーではしんどすぎる子どもたちにちょうどよい夢物語なのだと感じる。