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りこうすぎた王子

 

りこうすぎた王子 (岩波少年文庫)

りこうすぎた王子 (岩波少年文庫)

 

 プリジオ王子が誕生祝いに妖精からもらった贈り物は、妖精を信じない女王のせいで、屋根裏にしまわれました。ただ、「りこうすぎる王子になれ」という魔法の結果は明らかでしたが・・・。りこうすぎて、なんでも教えたがる王子は、成長して、みんなの嫌われ者になります。王さまは火をふく竜、ファイアードレイクを退治に追いやろうとしますが、竜を信じない王子は出かけず、2番目、3番目の王子が出かけて帰ってきません。怒った王さまは、王子を置き去りにして引っ越すことにきめました。お金も服も無くなった王子は、城中をさがし、屋根裏でブーツやぼうし、サイフを見つけます。なんとブーツは千里靴、帽子は姿を消す帽子。偶然会ったロザリンドに恋した王子は、魔法がある事を理解し、魔法のアイテムを使って竜を倒し、弟たちを救い、ロザリンドとも結ばれます。ロザリンドは「ふつうの王子になってくれれば」と結婚を了解しますが、王子は「ふつうに見える」かしこすぎる王子の魔法をかけるのです。合理主義と魔法が交じり合った愉快な物語。