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ハンター

 

ハンター

ハンター

 

 19世紀初頭のニュージーランド、一人の奴隷の少年がいた。部族を滅ぼされたが、類まれなハンターとしての技のおかげで、主人たちに活かされていた。森の声を聞く才能で最後のモアの声を聴き、森の奥へ主人と共に出かけ、逃亡のチャンスを得る。だが、彼は同時に空飛ぶワカと、おびえる少女の幻を見る。一方現代、ジョーダンとロビー、バクシーのきょうだいは、飛行機の欠航のため、アリーおばさんからセスナ機に乗せられる。だが、トラブルが発生、セスナは入り江に墜落。飛行士は死亡。バクシーの腕に大怪我を負い、ジョーダンは姉として、二人の弟を守る立場に立たされた。ハンターは、少女の幻に誘われて入り江に来るが、誰もいない。早く遠くまで逃亡しなければ危険だが、幻の少女を放置できなかった。釣りの方法や薬草を、少女に伝えようと懸命に試みる。ジョーダンは、どこからか聞こえてくる声に導かれ、魚を釣り、バクシーの手当てをする。ハンターは追い詰められるが逃亡に成功。そして3人も救助される。両者は気づかないがハンターこそジョーダンの先祖だった。時間を超えた交流が、場所と危機によって成立するというおもしろい展開。サバイバルものとしてもちょっとよい。