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ジーノのあした

 

ジーノのあした (福武文庫―JOYシリーズ)

ジーノのあした (福武文庫―JOYシリーズ)

 

 建築家になりたいと願って村を飛び出した孤児のジーノ。ナポリにたどりつくが、そこにいるはずのおばは見つからず、浮浪児の仲間入りをすることになる。だが、ものごいはプライドが許さない。純朴な田舎出のジーノと物乞いしかしらない、ナポリっ子集団。それぞれが生き生きと描かれていてなかなか魅力的。向上心のあるジーノはけなげだが、いかに観光客から金をせびり取るかに苦心する子どもたちの存在が、むしろ魅力かも。子どもは、その環境でしか生き方をしりません。