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氷の海とアザラシのランプ カールーク号北極探検記

 

氷の海とアザラシのランプ―カールーク号北極探検記

氷の海とアザラシのランプ―カールーク号北極探検記

 

 北極地帯の科学研究のために出発したカールーク号は、イヌピアク(イヌイットの一族)の一家の力を借りて出発する。だが、途中、氷に閉じ込められさらに船が壊れる。父クーラルック、母キールーク、そして二人の娘パグナース8歳、マグビー2歳。北極圏で生きる一家の力により、一行は生き延びるが、救援を求め、徐々に集団は割れていく。だが、氷の海を渡り、島にたどり着き、飢えの夏を経て、冬直前にやっと救いの船が着く。絵本形式だが、字も多く、読み物として扱ったほうがよい。もう少し、この航海の概要が巻末にあるとよかった気がする。それにしても、その地に生きる人のサバイバル力は、やはりすごい。