クリスマスの日に生まれた小牛は、最初息をしていなかった。だが、懸命に息を吹き込み、子牛は甦生する。そして、イーライが初めて世話をする牛となった。リトル・ジョーと名付け、懸命に世話をして品評会で一等のブルーリボンを取りたいと願うイーライ。だが、父親は肉牛に名前などつけるなという。動物を慈しむことを教えてくれるおじいちゃんに対し、どこか冷たいお父さんだが、父は、初めての子牛が自分のミスで毒草を食べ死なせてしまった過去を持っていたと知る。やさしいおかあさん、おしゃまで騒々しい妹、近所の牧場で馬を育てる少女テスへの意識と、ちょっとワルな友人ケラー。品評会での狂おしいほどの緊張感など、読んでいてドキドキする。地味だが、素直な佳作。