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消えた王子 上

 

消えた王子(上) (岩波少年文庫)

消えた王子(上) (岩波少年文庫)

 

 

幼い頃から、尊敬する父と共に各地を転々として暮らしてきたマルコ。ヨーロッパの小国サマヴィアの国民として、父は消えた王子の言い伝えを教えてくれた。500年前に消えたが、今もその子孫が生きていて内乱で苦しむ国を救ってくれるといわれている。今回引っ越してきたロンドンの下町で、マルコはラットと呼ばれる足の不自由な少年とであった。優れた頭脳で、作戦を考えるのが得意な軍略家だ。「子どもなら怪しまれない」という遊びでたてたスパイ計画は、サマヴィアの混乱による事態の急変により、現実味を帯びてくる。