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ペリカンの冒険

 

ペリカンの冒険

ペリカンの冒険

 

 両親が離婚。母とともに都会に来たエミルは、ペリカンが人間のように暮らしていることに気付く。服を着ていると、だれの目にも人間に見えるらしい。エミルはペリカンと仲良くなり字を教えるが。ペリカンは急速に文字をマスターし、さまざまな勉強を始める。人間の生活に適応するまでのようす(お金が必要なことを理解して、劇場で働くようになり、ちょっとした歌手になっていくとこと)は面白いが(ちょっと移民問題っぽくもある)、後半はいかにも人間の世界の風刺の色合いが強くなり、作者の姿が前面に出すぎている感もある。最後にはペリカンであることに気付かれ、動物園に閉じ込められたペリカンをエミルが救いだし、ペリカンは鳥に戻る。フィンランドのファンタジー。