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ナバホの歌

 

ナバホの歌

ナバホの歌

 

 平和に暮らすナバホ部族。だが、白人の圧迫は増し、主人公の少女アカルイアサは、さらわれてスペイン人の町の召使にさせられる。だが、友と脱出。村に着く寸前、追っ手と戦い少女のいいなずけのノッポは片手の自由を失う。成人を迎えたアカルイアサの村に白人が村の退去命令をもってくる。部族はあらゆるところから集められ、居留地へと追い立てられる。老人と子どもが死んでゆく悲劇の道行き。先に着き、敵対するアパッチ族からもいじめられ、男たちは気力をなくしてゆく。ノッポと結婚したアカルイアサは、すさんだ居留地での出産には耐えられないと決意。ノッポをやっとのことで説得して故郷の村に帰り、隠れ谷で、ひっそりと暮らす。実話をもとにした物語だが、現在ある難民キャンプや、そこがすさむ感じがちょっとわかる気がした。そして、いざとなったら女性の方が強そう。