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ラモーゼ下

 

ラモーゼ: プリンス・イン・エグザイル(下)

ラモーゼ: プリンス・イン・エグザイル(下)

 

 砂漠を横切り、父王のいる都をめざすラモーゼたち。途中サソリに刺されて危機に陥るが、砂漠の民に救われ、預言者から「ワニを信用し、カエルにおじぎせよ」という謎の預言を受ける。王の死の床にまにあうが、異母弟トトメスの即位式が着々と進む。そして自分をはばんでいたのが優しかった姉であり、敵だと思っていたワニのように不気味な宰相が、国思いの忠臣であることを知る。カロヤを救うため、ラモーゼは即位式を放棄し、弟を支える道を選ぶ。2年後、国情視察からラモーゼが帰るとエジプトは諸外国との国境紛争に揺れていた。自らの統治の野心を強める姉ハトシェプストとの対立は深まる。捕虜になっていた敵国王子とのトラブルを超えての友情の芽生え、変わらない旧友との絆、ラモーゼは、死を装い、陰からトトメスを支える道を選ぶ。
兄の3王子が死んで即位したトトメス王子と、エジプトで初の女性ファラオとなったハトシェプトは実在のモデルがありとのこと。ラモーゼが王になってハッピーエンドで終わりだろうと思っていたら、意外な変化球。その分、まとまりが微妙な点や、つごうのいい旧友再会などのきになるところはあるものの。小ネタは、いろいろ工夫して頑張っている。