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チューリップタッチ

 

チューリップ・タッチ

チューリップ・タッチ

 

 ナタリーは、引越し先で初めて会った女の子チューリップと友達になる。平気な顔でウソをつき、他人をせせらわらうような遊びを次々に考えつく女の子だ。ホテルを経営する両親は忙しく。母は、幼い弟を溺愛。ナタリーは取り付かれるようにチューリップに魅せられるが、空き家を放火した時、自分の限界を超えたことに気づき、チューリップから離れ自立しようとする。だが、父親の虐待にさらされ、唯一の友を失ったチューリップはますます悪の道に踏み込み、ついにナタリーのホテルに放火する。豊かな感性を持ちながら破滅してゆく友。気づいていた父が、助けようとしてもだめだったことを知るラストは悲痛。