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あまねく神竜住まう国

 

あまねく神竜住まう国 (児童書)

あまねく神竜住まう国 (児童書)

 

 荻原さんの新刊で気になり読んだ。読み進めて、登場人物に草十郎と糸世とでてきたところで風神秘抄の続きだったのかと気づいた。今回の話の主人公は伊豆の地に流された源頼朝。頼朝は流刑の地で生きている価値もないと思いながら暮らしている。そこへかつて命を救ってくれた草十郎と糸世がやってくる。草十郎は万寿姫との因縁が断ち切れず、頼朝もまだ命を狙われている。風神秘抄で残ったことが最後はきれいに回収されたように感じました。ただ草十郎、やはりもう鳥と会話はできないのかというところと、鳥彦王が登場しなかったのが残念。いいキャラだった鳥彦王にもう一度登場してもらいたかった。変わらずマイペースで言い出したら聞かない糸世に振り回される頼朝とのやりとりのシーンは楽しんで読みました。