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ビリー・ジョーの大地

 

ビリー・ジョーの大地

ビリー・ジョーの大地

 

 荒れた砂埃舞う農場に住む13歳の女の子ビリー・ジョーの1934年と1935年の2年間。苦しい生活の中でピアノを弾く喜び、母や父への微妙な反発。生まれてくる赤ちゃんへの期待。けれども日照りは農場の恵みを奪う。移住する友、砂塵で命を奪われる知人。そして、母親を事故によって、悲惨な形で失なった後の絶望的な喪失感。自分の手も焼け爛れ、ピアノの夢が消えかかれる。そして、長い苦しみの後の再生が散文詩の形式で書かれる。1998年ニューベリー賞受賞。豊かなアメリカの貧しい過去、親子の心のつながりがみごとに描かれている。