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ヘヴンアイズ

 

ヘヴンアイズ

ヘヴンアイズ

 

 孤児院で暮らすエリンは、友達のジャニュアリーとマウスと共に筏で、川に逃げ出した。たどり着いた泥地のブラックミドンでは、水かきのある不思議な少女ヘヴンアイズがグランパと呼ぶ老人とくらしていた。記憶が保てず、なんでも書き付けている老人と過去の無い少女は、岸の他者を“幽霊”と呼び、二人だけの世界を創っていた。泥の中から掘り出される昔の死者。ヘヴンアイズとエリンの仲に嫉妬し、ゆれるジャニュアリー。アーモンドらしい幻想性がただよう。戻った孤児院で、ヘヴンアイズが責任者のモーリーンを“ママがいないちっちゃな女の子”と見抜くところがいいが、ちょっと情緒的に流れすぎている気がする。