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メギー新しい国へ(岩波少年文庫)

 

メギー新しい国へ―メギー・マッキントッシ (昭和27年) (岩波少年文庫〈36〉)

メギー新しい国へ―メギー・マッキントッシ (昭和27年) (岩波少年文庫〈36〉)

 

 落ちぶれた貴族の孤児メギーは、美しいいとこの家の居候暮らしをしていた。財産も美貌もなく、元気だけがとりえのメギーのあこがれは、かつて王様を救った武勇を持ち新大陸に渡ったフローラ・マクヂナルド。いとこがその気もないのに、貧乏貴族ユーアンとかけおちして新大陸に行く計画を建てたのに乗じて、身代わりに船に乗り込んだ。3個しかない家宝の宝石で船賃を払い、新大陸で、子どもの世話役として居場所を見つけるメギー。おりしもアメリカは、独立か本国に従うかでゆれ、メギーの心は乱れる。ついにフローラとの面会を実現したメギーしたは、自分は必要とされて生きることを望み、新大陸の独立を願っていることに気づく。かつてあこがれていたユーアンがプロポーズし、本国に帰ろうと誘いに来たとき、メギーは新しい国で生きる決意を告げて断る。 当時のアメリカ移民のようす、黒人奴隷のようすなどイギリスの良心的上流階級の視点的だが、リアリズムでよくかいてある。ぶきりょうだが、パワーがあり、明るくて独立心旺盛なメギーはアンの先輩格。意外なほど楽しく読めた。