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猫ねこネコの物語

 

猫ねこネコの物語 (児童図書館・文学の部屋)

猫ねこネコの物語 (児童図書館・文学の部屋)

 

猫がでてくる話が8つ入っている。どの話にでてくる猫もみんな賢くて頼もしい。最後の1つだけは、どんな仕事についても失敗してしまい家猫の職業が一番だったという猫らしい話で終わっている。最初のお話は平和でのんびりとした町に長官がやってくることになる。長官を追い出すため、サバ猫、ペスキャットーが知恵をしぼる話。解決のため人間がとった行動がおもしろい。「ネコ王の娘」にでてくるハチミツ色のトラ猫、マーゴットは結婚を反対された王女さまの代わりに王女が猫になってしまったふりをする。マーゴットの「ネコでいるほうがずっとしゃれている」という言葉に猫は猫であることに誇りがあるのだなぁと思った。8つ話のなかで1番好きな猫は「ネコとヴァイオリンひき」の黒猫。ネコの舞踏会で演奏するバイオリン弾きを探していた黒猫はニコラスという若いバイオリン弾きに演奏をお願いする。この黒猫の正体がわかる最後がおもしろいそしてかっこいい。最初の話から最後の話までねこだらけでネコ好きにはたまらない一冊でした。