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都会のトム&ソーヤ9 前夜祭内人side

 

都会のトム&ソーヤ(9) ≪前夜祭(EVE) <内人side>≫ (YA! ENTERTAINMENT)

都会のトム&ソーヤ(9) ≪前夜祭(EVE) <内人side>≫ (YA! ENTERTAINMENT)

 

 概要

前巻で、満を持して発表したゲーム「怪人は夢に舞う」は栗井栄太に酷評され、「ぎゃふん」となった創也。

落ち込んだ創也だが、再び究極のゲームへの夢を取り戻す。9,10は次の究極のゲームに至る「前夜祭」である、という趣向で、二人の職業体験にまつわる挿話が描かれる。

なので、全体の流れからは、番外編のような位置づけになると思われる。

9巻が、主に内人の町立図書館での職業体験と、そこで遭遇するミステリーが描かれる。

10巻はその謎解きということになるらしい。

 

感想

このシリーズはどうもいつもそうだが、本すじのネタよりも、こういう脇筋の方が生き生きしている気がする。特に町立図書館の職業体験は、リアリティはともかく、部分的にはうなずける部分も多く、作者が図書館にそれなりの好意を持って描いてくれているのがわかるので、読んでいて楽しい。

だんだん救いようのなくなってきた保育士志望の創也のボディーガード、卓也さんの話、とか、父親たちの話も、肩の力を抜いて楽しめる。