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ジャミーラの青いスカーフ

 

ジャミーラの青いスカーフ

ジャミーラの青いスカーフ

 

 母が死に、父と二人残されたジャーミラ。だが、父は田舎を捨てて都会にでたものの、酒に手を出して失敗を続ける。ジャーミラは女中としてこき使われ、父が再婚するとママ母にも酷使され、あげくのはてに、父に捨てられてしまった。兎口の障害があるジャーミラは、母から、姿が美しくなくても心を美しく保つようにと言われ、敬虔なイスラム教徒として育てられる。孤児院に収容された後、学ぶチャンスを活かして懸命に字を覚え、手術により口も直してもらう。だが、やっと再会した父が、ジャーミラにたかって生きようとするのを見、自立を決意する。アフガニスタンを舞台とした物語。けなげだが、最後は父と決別するなど、日本の子の共感もよびそう。