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新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

殺す

『子どもと大人の出会う場所』

子どもと大人が出会う場所―本のなかの「子ども性」を探る (子どもと本)

子どもと大人が出会う場所―本のなかの「子ども性」を探る (子どもと本)

 

 の中で、定番の『蝿の王』と並んで紹介されていた“恐るべき子ども達”本。

殺す (海外文学セレクション)

殺す (海外文学セレクション)

 

 警備が行き届き、よく管理された高級住宅街で、大量殺人事件が発生。32人の大人全員が殺され、子ども13人が行方不明に。謎を解く中で浮かんできたのは、物分りがよく、金持ちの親の下で、何不自由なく育ったはず子ども達の苦しみ。そして、最年少の8歳の少女が精神錯乱状態で保護される。事件の犯人は? 『蝿の王』に比べると子どもたちの変化の過程がなく物足りない。ただし、大人の恐怖の物語としては完成している。