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メッセンジャー 緑の森の使者

 

メッセンジャー 緑の森の使者

メッセンジャー 緑の森の使者

 

 かつて野生児だったマットは、成長して名前もマティとなった(成長すると音節が増える)。今はすばしこさを活かして、メッセンジャーとして飛び回り、指導者ジョナスを助けている。だが、マティを受け入れてくれた〈村〉に変化が生まれていた。常によそ者を受け入れていた寛容さが失われ、〈トレード・マーケット〉では、何か異常なことが起こっていた。トレードしたものは、何かを失っている!そして、〈村)を囲む森も牙をむき始める。村の集会は、ついに他者の受け入れを拒否する決議がなされ、閉鎖の前に、村にキラを迎えいれるべくマティは出発する。だが、マティも不安を抱えていた。きずついたカエルを救ってから、自分の力におびえていた。マティには治癒の能力があるようなのだ。キラを連れての帰還の旅で、森は二人に襲い掛かる。だが、指導者(ジョナス)は、二人のために森に入る。そして最後の力を使い、マティは、森と村を再生させ、力を使い果たし、命を失う。指導者は彼にヒーラー(癒す者)の名を与える。 1巻と2巻の主人公が出会い、大円団で、不思議なイメージがあって読ませる。それぞれの特殊能力をどうとらえるか、もうちょいつっこんでみたくはある。