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ビースト

 

ビースト

ビースト

 

 里親にあずけられている問題児のスティーヴンには秘密があった。彼は金が必要だったのだ、アイツに肉を食わせなければならないから。問題のある両親、里親家庭の嫌味な女の子キャロルと人なつこい弟ロバートなど、それぞれの性格がよくかけている。ビーストの正体がなかなか明かされないのも読むものをそそる。今や手に負えなくなったビーストをどうするのか? 最終的に殺さずに保護させるが、行方不明となった父や、態度が急変したキャロルの内面などきっちり型をつければもっと良くなりそう。変に扇情的な導入も、シンプルにして欲しい。だが、トラブルに巻き込まれつつ、自分なりに生き方を見つけようとしているスティーヴンの成長小説であることは確か。