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レイル 王国の暗殺者

 

レイル―王国の暗殺者

レイル―王国の暗殺者

 

 寒村で育った孤児のレイルは、貴重な針を無くし、村から逃げ出した。彼女はタムリン国の女王に拾われ教育を受けるが、女王はわが子と一族が殺された後に、太陽王となったテレムの滅亡だけを生きがいにしていた。レイルと仲間たちは暗殺の技術をしこまれ、レイルに瓜二つだった死んだ王妃の変わりになるべく、宮殿に送り込まれた。女王への忠誠にしばられながら、レイルは徐々に聡明なテレムに真剣に惹かれるようになる。そして、ついに死んだ王妃こそ、赤ん坊の時に生き別れた双子の妹で、女王は全てを承知でレイラを利用していたことを知り、死を覚悟でテレムに全てをうちあけるが、裏切られたショックでテレムはレイラを見放した! 伏線がきっちりはられ、王国の力関係や魔術もからみ、なかなかしっかりした世界を作っている。根本的にはメロドラマで読みやすい。