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リヴァプールの空

 

リヴァプールの空

リヴァプールの空

 

 第二次世界大戦中、イギリスからカナダへの疎開児童の船がドイツに撃沈され、90人中77人が死亡したという実際の事件を踏まえた物語。 転校生ブリーガーは、粗末な服、体中の傷、不敵な態度で級友と打ち解けない。家が隣のジェイミーも反感を感じるが、父親が暴力をふるう複雑な家庭環境に気づいていく。そんな中、空襲が悪化。疎開船に一緒に乗り込むはめに陥った。船でもつまみもののブリーガーだが、同郷のよしみでコンビ扱いされ、共感を感じはじめる。おりから船は撃沈。妹を救うため、ブリーガーはボートから海に飛び出していった。 ブリーガーの父親の問題の解決がはっきりしていないなど不満もあるが、「青空の向こう」よりはいい。