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仮面の街

 

仮面の街

仮面の街

 

 ロウニーは孤児で、グラバの家で暮らしている。おそろしく年寄で、魔法を使うグラバは多くの子を〈地虫〉として思いのままに使っている。ロウニーには、素晴らしい兄のロウワンがいたが、禁じられている劇の出演中に手入れがあり、以降行方不明だ。ある日、ゴブリンが移動馬車で劇の上演に来た。どうしても見たいロウニーは、グラバのお使いからお金をごまかしてもぐりこみ。舞台に出るチャンスもつかむ。だが、おかげでグラバから追われることになり。ゴブリンの一座に迎えられる。鳥を使って追いつめてくるグラバと、グラバの後釜を狙う、野心的な少女ヴァス。ゴブリンが劇で使う数々の仮面に宿る魔力。そしてロウワンの行方は? 魔法と謎が絡み合ったイメージ豊かなファンタジーだが、これだけファンタジーがあふれていると、それだけでも足りない思いも残る。ロウワンとの思いがけない出会いと別れなど鮮烈な印象が残り、最近の作品の中では、確かに上であるとはおもうのだが・・・・