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サンコン少年のアフリカ物語

 

サンコン少年のアフリカ物語 (講談社青い鳥文庫)

サンコン少年のアフリカ物語 (講談社青い鳥文庫)

 

 ギニアで過ごした子ども時代。父親は一人、母は3人。兄弟姉妹は20人の大家族。3人のお母さんは、子どもたちを同じようにかわいがってくれる。まだ子どもでも、自分の家畜を持ち、自分の木をもって責任をもって世話をしている。サッカーをしたくてもサッカーボールはない。だが、自分たちで工夫してボールを作れば遊べる。間違ったことをすると、父さんからベルトで打たれる厳しい体罰もあるけれど、理由なくぶたれることはない。おいしい木の実を木に登ってとっては食べたり、星空の下で寝たり、自然と共に生きる暮らしの豊かさはなんとも魅力。すべてを美化するのはおかしいが、あこがれを誘う子ども時代だ。