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オレたちの明日に向かって

 

オレたちの明日に向かって (teens' best selections)

オレたちの明日に向かって (teens' best selections)

 

 勇気は、考えるより先に言葉が出てしまう単純な中学2年男子だ。将来のことを考える課題が出ても、自分が何の仕事がしたいかなんて見当もつかない。職業体験の希望先も、迷ったあげく、人生設計(ライフプランナー)授業をしてくれた知り合いの保険屋今井さんのもとに行くことにする。高齢で、奥さんを介護しているプライドがあるため、事故の非をみとめないおじいちゃんや、人を撥ねておきながら、怖くてあやまりにもいけない若い男、そして自分と同じくらいの年齢なのに、実の父に強制されて当たり屋をやっていると思われる少年など、いろいろな人生があることを知って驚く。あこがれの中里さんや、保母をしている元気な姉など、周辺の人物も個性があり、楽しくまとめている。