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十字路の小さな町 (クワイナー一家の物語2)

 

十字路の小さな町―クワイナー一家の物語〈2〉 (世界傑作童話シリーズ)

十字路の小さな町―クワイナー一家の物語〈2〉 (世界傑作童話シリーズ)

 

 病気のおばさんの手伝いのため、大好きなおばあちゃんは行ってしまった。キャロラインはさびしくてたまらない。けれど、学校では英語がよく話せないドイツからの移民の女の子と友だちになったり、迷い犬ウルフが家の犬になったりとうれしいこともあった。おばあちゃんが送ってくれた小包の中に、生まれて初めて缶詰を見て驚いたり、すてきな布に喜んだり。そしてクリスマス、久々に帰ってきたおばあちゃんとの再会の喜び。不思議なサンタクロースの話をきいて靴下をつるすときめき。借地のため、家を出なければならなくなった悲しみの中にも、「家」とは建物ではなく共に暮らす家族なのだと気づく最後に、キャロラインの成長が描かれている。